レーザー光源レーザー製品

レーザーの種類

レーザーの種類

レーザーはレーザー媒質として使用されている物質の名称で呼ばれることが多い。

固体レーザー

固体は液体や気体に比べて密度が高い、つまり単位体積中により多くの原子が詰まっていることになる。
このため固体レーザーは単位体積あたりのレーザー出力は大きい。したがって、固体レーザーは小型であっても大出力を得ることができる。

YAGレーザーが固体レーザーの代表である。YAGレーザーは出力が大きいため、レーザー加工・レーザー溶接の分野で利用されている。
この分野では、その他にCO2レーザー(気体レーザー)が利用されている。

固体レーザーを連続して使用すると、レーザー媒質に熱がこもる。
この熱でレーザー媒質が膨張し、レンズとしての作用を持ちレーザー光路に悪影響を与える場合がある。これをレンズ効果という。
ガラスは熱伝導が悪い。このため、ガラスをレーザー媒質として使用した場合、レンズ効果の影響を特に受けやすくなる。

 

半導体レーザ

半導体は固体の一種であるが、レーザー技術の分野では固体とは別に分類されている。
Ⅲ-Ⅴ族半導体を利用したものと、Ⅳ-Ⅵ族半導体を用いたものに大別される。
どちらも、小型、高効率であるが、Ⅲ-Ⅴ族半導体の技術が先行している。

光通信、CD、DVD、レーザープリンタ等に利用されている。
半導体のPN接合部に順方向電圧を与え、電子とホール(正孔)を注入することによって、反転分布状態を得る。

 

液体レーザー

液体をレーザー媒質として使用したレーザーが液体レーザーである。
光を用いた励起法が多い。
液体レーザーは、媒質の違いにより有機キレート化合物レーザー、無機レーザー、有機色素レーザーの3つに大別される。
しかし、有機キレート化合物レーザー、無機レーザーは安全面や能率で問題があり、実用化されているのは有機色素レーザーである。

色素レーザー用の媒質として発振可能な材料は500種類以上が確認されている。
連続発振する場合、励起源はイオンレーザー、パルス発振する場合はフラッシュランプやYAGレーザー、エキシマレーザーが利用される。

 

気体レーザー

気体の原子や分子、イオン等を単独または混合してレーザー媒質として使用したレーザーが気体レーザーである。

気体レーザーの励起方法の主流は、放電法であるが、その他に熱、電子ビーム、光、化学反応が少数ではあるが利用されている。

気体は液体や固体に対して、密度が低い。つまり単位体積中の原子数が少ないのだ。このため気体レーザーは単位体積あたりのレーザー出力は小さくなってしまう。
これを改善するために、高圧の気体を使用したり、気体の容積を大きくしたり等の技術が利用されている。

スーパーやコンビニで導入されているPOSレジのスキャナーから、赤い光が放射されているのを見た覚えがあると思う。
この光が気体レーザーの代表例の一つであるHe-Neレーザーである。

レーザー媒質として炭酸ガスを用いたCO2レーザーは、高い連続出力を得ることができる。
このため、レーザー加工・レーザー溶接といった大きいエネルギーを要する産業用途で利用されている。
CO2レーザーの波長はおおよそ10.6μmである。
可視光の範囲は0.4〜0.8μmであるので、CO2レーザーを目で見ることはできない。
大出力で不可視なので、取扱いには十分な注意と安全対策が必要である。

TEA(Transversely Excited Atmospheric)という高ピーク出力の方式もある。

アルゴンイオンのガスをアーク放電で励起したレーザーが、Arレーザーである。
気体レーザーの励起には、グロー放電を利用するのが一般的であるが、イオンを用いた気体レーザーの多くはアーク放電が用いられる。

エキシマ (excimer)とはexcited dimerの略である。基底状態では分子として存在できないが、励起状態でのみ分子として存在できるものをいう。

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